元野球記者の球場飯、雑記ブログ

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高校野球ファン必見の一冊!~「古豪」復活の道のり~

 

高校野球の、夏の甲子園を目指した地方予選が、各地で始まっていますね!

 

 

今年は第100回目の大会ということもあり、出場をめぐる争いが各地で加熱しています!

 

100回記念大会であるため、普段は東京・北海道を除いて1都道府県1代表制ですが、今回は埼玉・神奈川・千葉・愛知・大阪・兵庫・福岡から2校が甲子園に行けます!(いずれの地区も1回戦から8回勝たなければ優勝できない7地域でした)

 

 

毎年、日本の夏を盛り上げてくれる高校野球ですが、ここ最近では私学の強豪校がリードし、公立校がそれに挑むという展開が多くなっています。

 

 

2000年台前半まで、公立校で毎年のように甲子園に出場していた「古豪」も、現在は私立強豪校に押され気味になっていますが、そんな古豪が、復権のためにどうもがいているのか、その様を詳細に記しているのが、「甲子園を目指せ! 古豪復活の道のり」辰巳出版)です!

 

 

 

高校野球における古豪とは

高校野球における古豪とは、全国から有望選手を集めてチームを作る強豪私立とは違い、地元出身の選手を中心とし、2000年台以前の甲子園の常連として高校野球を盛り上げてきた公立高校を定義することが多いと思います。

 

実績を残してきたことで知名度や人気も高く、多くの高校野球ファンから、復活・活躍を待ち望まれている「古豪」のうち、6校を紹介したのが、上述の「古豪復活の道のり」です。

 

 

 

甲子園を目指せ!古豪復活の道のり

古豪復活の道のりは、現在は強豪私立等に押されて苦戦はしているものの、2000年台以前には大きな実績を残し、今も野球ファンに親しまれているチームを取材。

 

伝統校ならではの苦しみや、選手・練習方法・学校生活における過去との違い、復活に向けて取り組んでいることを、詳細に書きだしています。

 

「古豪」の代表として取材しているのが、以下の6校です

 

代表的な高校

松山商(愛媛)

 

松山商は、春夏を通じて42回の甲子園出場を誇り、7度の全国制覇を達成している公立校です。

 

特に夏の大会の強さは目を引くものがあり、「今年の松山商業は過去最弱のチーム」と言われながらも、夏には信じられない強さを発揮する、ということから「夏将軍」という異名がつけられるチームです。

 

そんな松山商業も、近年は済美松山聖陵など愛媛の私学に押され、2001年を最後に夏の甲子園に出場していません。そんな「夏将軍」の伝統と変化について、古豪復活の道のりでは年末の「冬合宿」等を取材し、読者に伝えています。

 

 

 

 

前橋商(群馬)

 

甲子園出場8度を誇り、オリックス・駿太(後藤俊太)など名選手を輩出しているのが前橋商業です。

 

近年の群馬県は、2013年に全国制覇を達成した前橋育英や、「機動破壊」をテーマに旋風を巻き起こした健大高崎など、私学が県内の高校野球をリードしている状況です。

 

そんななか、OBや地域住民の後押しを大きなメリットとして、競合私学に立ち向かう前橋商業の姿を描いています。

野球推薦枠がなく、有望選手が他校へ入学する中、「私学を倒して甲子園へ」というモチベーションの高さが、前橋商業からは感じとれる内容です。

 

 

 

 

簑島(和歌山)

 

 1979年に、公立校では史上唯一の甲子園春夏連覇を成し遂げるなど、17回の甲子園出場を誇る簑島

 

 

過去には近所の人がノックだけを打ちに来てくれたり、内科の先生がボランティアで見てくれたりなど、地域の人々やOBのサポートもあり、全国でもトップクラスの強さを誇っていたといいます。

 

現在の監督は、黄金時代を築いた名将・尾藤公氏のご子息・強氏。山本喜造部長とともに指導し、2017年の新人戦では27年ぶりの優勝を果たすなど、復活へ向けて着実に歩みを進めている。

 

伝統校ならではの厳しさ・理不尽さのようなものがあるかと思いきや、現在の簑島の練習・野球の考え方は合理的で選手が主体的に考える習慣が身につくようなものであるそう。

 

簑島の復活が近いことを感じ取れる内容になっています。

 

 

 

 

横浜商(神奈川)

 

通称「Y校」。神奈川県で最も古くから野球部のある高校で、春夏通じて16回の甲子園出場を誇りますが、2013年には県立高校に1回戦負けを喫するなど、春は1997年、夏は1990年から最後に甲子園から遠ざかっています。

 

書籍では、なぜY校と呼ばれるようになったか、その歴史が詳細に記されています。

 

Y校は毎年100人前後の新入部員が入部しますが、それでも横浜、東海大相模桐光学園など強豪私立に大きく水をあけられている状態です。

 

その状態を打ち破るため、「ベストラン」をスローガンに戦っています。

 

 

 

 

 

 

広島商(広島)

 

ソフトバンクのスタープレーヤー、柳田悠岐選手などを輩出している広島商

 

春夏を通じて43回の甲子園出場は、公立高校では3番目に多い記録です(2018年6月現在)。

 

私学の広陵高校と長らくしのぎを削ってきましたが、2004年夏を最後に甲子園からは遠ざかり、私学の如水館広島新庄の後塵を拝している状態です。

 

それでも、2017年は夏の県大会決勝まで勝ち進むなど、復活の兆しを見せています。

 

部活休養日を設けるなどの改革もありながら、上下関係や人間形成などにおける伝統を生かしたまま、「現代的広島商」が奮闘している様が見て取れる内容です。

 

 

 

 

 

 

熊本工(熊本)

 

甲子園出場41回を誇り、2017年春にも甲子園に出場した熊本工業ですが、近年は私学の秀岳館に辛酸を飲まされることが多くなりました。

 

熊本工業でも、伝統的な部分で大切にし続けるところはもちつつも、選手に目標を持たせて成功体験を積ませるため、能力の数値化を図ったり、

 

上下関係においても、先輩後輩の在り方を考えるなど、変わりつつある熊本工業を知ることができます。

 

 

 

 

<読み終えての感想>

 

すでに始まっている100回目の夏。

 

もちろん有名選手が私学で躍動する様を見るのもいいですが、

 

 

地元出身の選手を中心に、強豪私学に挑みゆく「古豪」の公立校。

 

 

そんな地元期待の星が、旋風を巻き起こして甲子園に行くというストーリーも、観たいと思わせてくれる内容でした。

 

 

これからの夏に当たり、高校野球ファンならぜひ一読してほしい一冊です。